あなたのご家庭ではステンレス製の調理器具などご利用していますか?
キズがつきにくく丈夫で長持ちと評判のステンレス。どんなご家庭でも一家に一個ぐらいお持ちなのではないでしょうか。
そんなステンレス製品ですが、調理の時に酢を使った料理はできるのか躊躇してしまいます。ステンレスと酢(酸)は相性が悪く腐食するイメージがありますよね。
果たして、ステンレスはサビにくく、丈夫で長持ちと評判でも、実は酢や酸の力には敵わないのかを、検証してみたいと思います。
酢で溶ける!?ステンレスボトルに健康酢は大丈夫なのか
調理器具にも、ステンレスボトルにも使われるステンレスですが、ステンレスボトルに健康酢を持ち歩くこともあるかと思います。
健康のためですが、長時間“酢”にさらされている状態はちょっと心配。
ステンレスは、「酢や酸で溶けない」やはり、「酢や酸で溶ける」と、あえて二つとも答えといえます。
その理由として、ステンレスの性質は、サビにくい物なのですが、サビないワケではありません。
そもそもステンレスとは内部は、鉄やクロム、ニッケルなどを利用して作られる合金で、その金属の配合により強度なども様々です。
その中でも調理器具に関しては、水に強くサビにくく作られています。
しかし、基準は国によっても違いますし、工場などで決める配合の割合によっても違います。
同じステンレスという名前でも、強度や加工なども変わってきてしまうのです。
そのため、キズがつきにくく丈夫に作られたステンレスならば、「酢や酸で溶けにくい」と言えます。
逆に配合が甘く、粗雑に作られた物ならば、キズがついた所などから「酢や酸で溶ける」可能性があるということになります。
ただし、一般的には酢は弱酸性を示すため、酢で溶かされるわけがないと言われています。(長時間酢や酸に漬けることで、多少溶け出す可能性はあります。)
逆に、使用期間が長くキズがついているものなどは、そのキズからサビが発生したり、酢や酸が染込むことにより、腐食の原因になることもあり得るということです。
以上の事から、ステンレスボトルに健康酢を入れて持ち歩くより、別の容器の方が安全といえます。
ステンレスボトルに健康酢などを入れるか、入れないかのご選択は自己責任の上ご判断下さい。
参考までにステンレスボトルの2大メーカー象印とタイガーの見解です。
タイガー:飲むお酢を入れてもよい? 象印:ボトルに入れてはいけない飲み物は?掃除や鍋のコゲつきにも使えるステンレスと酢の相性
掃除や鍋のコゲつきというと、一般的には重曹を思い浮かべる人も多いと思いますが、実は酢もとても有効ということをご存知でしょうか?
重曹は弱アルカリ性を示すため、酸性汚れに利用できます。
その反対に、酢は弱酸性を示すため、アルカリ性汚れに利用することができます。
水垢や赤さび、せっけんカスなどは酢の力を発揮する得意分野ともいわれています。
この性質で、掃除や鍋のコゲつきに酢も汚れの違いにより、重曹と同様に使うことができるのです。
では酢を利用して、鍋のコゲつきを落としてみましょう。
①まず最初に、コゲついた鍋のコゲつきが浸るぐらいにお水を入れてお湯を沸かす。
②中火にしたところに、酢を大さじ2~3杯入れる。
※この時、酢のニオイにむせる可能性があるので、しっかり換気扇で換気して下さい。
③10分ぐらいたったところで火を止めて、へらなどを使ってゴシゴシとコゲをこすり落とす。
スルスルっと落ちてきませんか?落ちない場合は、少し置いて試してみて下さい。
コゲつきだけではなく、鍋の水垢も取れて、鏡のようにピカピカ輝くステンレス鍋が完成します。
酢を使用した後は、しっかり洗剤で洗い流し、水気を切って保管しましょう。
ステンレス製品と酢の関係のまとめ
ステンレス製品と酢の相性は悪いと思っていましたが、使い方次第では相性がよいことがわかりました。
ステンレスの状態によっては、酢がキズなどから入り込み腐敗の原因や、組み合わせが悪いと有害物質を発生させてしまいます。
ただ通常の使用では、酢の扱いは特に問題になることはありません。
長時間の酢との接触や、キズのついたステンレス製品の使用では腐食の原因になる可能性があります。
ただこれはステンレスに限らず劣化した製品を使う時は同じことが言えます。
まずは酢とステンレス製品の相性を知って正しい取り扱いをしましょう。
★ステンレス製品の取扱い方:お手入れについて(日本金属ハウスウェア工業組合)