中国語を勉強している皆さん、中国語の多音字についてご存知でしょうか?
多音字(たおんじ、duō yīn zì )とは、中国語の中にある、二つ以上の発音を持つ漢字のことです。
ここで、「日本語では、一つの漢字に音読みと訓読みのような、複数個の発音があるのは当たり前だから、中国語の多音字もそんなに難しいことないんじゃない!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、実際、多音字は多くの中国語学習者だけでなく、中国語ネイティブも困惑させており、非常に奥の深いです。では、多音字とは何者なのか、さっそく見てみましょう!
600字以上もある?多音字の重要性
日本語では、訓読みと音読みがあり、複数個の発音を持つ漢字がほとんどですね。しかし、中国語の漢字のほとんどは多音字ではなく、一つの発音しか持たない漢字です。
日本語でいうと『広辞苑』の存在に当たる、中国語の規範的な字典『新華字典』では、全部で10000字以上の漢字が収録されており、そのうち、多音字はわずかな600字程度しかありません。
この数字を見ると、つい「なんだ、全然ないじゃないか」と思いませんか?
しかし、実は、多音字には僅かな600字しかないが、中国語の日常会話で非常に高い頻度で使われており、多音字がなくては中国語が成り立たないと言ってもいいでしょう。
では、普段よく使われている多音字には一体どういうものがあるのでしょうか?
le 吃了(chī le):食べた
liǎo 吃不了(chī bù liǎo):食べられない
了解(liǎo jiě):了解
wéi 行为(xíng wéi):行為
认为(rèn wéi) :思う
wèi 为什么(wèi shén me):どうして
二つの発音を同時に使うとこのような文ができます:
你为(wèi)什么这么认为(wéi)呢?
(あなたはどうしてこのように思うの?)
dì 目的(mù dì):目的
de 好的(hǎo de):いい 我的(wǒ de):私の
dí 的确(dí què):確かに
さらに三つの発音を一気に使ってこんな文も作れます:
这的(dí)确是一个好的(de)目的(dì)。
(これは確かにいい目的だ。)
いかがですか?
見たことのある単語が多かったではないでしょうか。
多音字には、このような日常でよく使うものから、中国人ですら全く聞いたことのないものまであります。
やはりより正確な中国語が使えるように、多音字の勉強をしとかないといけませんね!
発音が微妙に違うものから全然違うものまで 発音の変わり方がいっぱい
「多音字はいっぱいあるが、何か決まった発音の変わり方ってある?」と聞きたくなる方はきっといるでしょうね。
残念ながら、多音字の発音の変わり方に決まりがないばかりか、変わり方も数え切れないほどあります。早速見て見ましょう!
背 bēi 背包(bēi bāo):リュック bèi脊背(jǐ bèi):背中
数 shù 数学(shù xué):数学 shǔ数一数(shǔ):数えてみる
中国語の四声、違いがよくわからなくて難しいですね!
しかし残念ながら、中国語には四声しか変わらない多音字がとても多いです。
恐らく多音字のなかで一番多いのはこの四声しか変わらない多音字だと筆者は思います。
非常にややこしいですが、大事ですから、サボらずに勉強するしかありませんね。
秘 mì 秘密(mì mì):秘密 bì秘鲁(bì lǔ):ペルー
降 jiàng 降水(jiàng shuǐ):降水 xiáng投降(tóu xiáng):降伏
このような、発音が若干違うが、お互いの発音はまだある程度似ている多音字もたくさんあります。
使っていくうちに覚えていきましょう。
行 xíng 行动(xíng dòng):行動 háng银行(yín háng):銀行
こちらは最後のタイプですが、同じ漢字なのに、あまりにも発音が違いすぎますね!
流石に発音が全然違うタイプの多音字もさほど多くありませんが、発音が全く違うので、間違えると意味が通じないので、なめてはいけませんね。
常用多音字のBOSS 「和」
日常生活でよく使われている多音字の中で、一番発音が多いと言われているのは「和」です。
「和」には、六つの発音もあります。
和 hé 和平(hé píng):平和
hè 应和(yìng hè):相槌を打つ
hú 和(hú):(麻雀で)上がる
huó 和面(huó miàn):小麦粉をこねる
huò 和药(huò yào):薬(漢方薬)を混ぜて作る
huo 搅和(jiǎo huo):かき混ぜる
すごいですね!
実はこの中で、héやhuoなどは普段よく使われている発音に対して、huòは全く使われてなく、中国人ですら知らない人がいっぱいます。
ここで六つの発音を覚えて、いつか中国語のネイティブに自慢できるかもしれませんよ。
まとめ
いかがでしたか?多音字はとてもややこしく、中国人ですらよく間違えます。しかし、あまりにも基本的な多音字を間違えると、会話が通じなかったり、笑われたりするかもしれませんから、頑張って勉強しましょう!